コロナ後 5 年で変わった海外旅行 — 2020-2026 の航空・ビザ・予約行動の変化

最終更新: 2026-04-20 · skymapr 編集部

3行サマリー

  • ① 航空券価格は 2020 年比 1.5-2 倍 で構造的に定着、コロナ前の価格帯には戻らない
  • 事前入国申請(K-ETA/TDAC/ESTA/eTA 等)が主要渡航先でほぼ必須化、出発 2-3 日前の準備が標準
  • ③ ダイナミックプライシング精度向上で 直前値下げは激減、早期予約が圧倒的に有利な時代へ

2020 年春、海外旅行が事実上停止した瞬間から 2026 年の現在まで、約 5 年が経ちました。この間、航空券の価格だけでなく、予約の仕方、入国手続き、旅行業界の構造まで、旅行という行為そのものが大きく変わりました。

「コロナ前の感覚で旅行計画を立てて予算オーバーになった」「昔なら直前で安く取れたのに、今は高い」という経験は、実はあなた個人の予算感覚の問題ではなく、業界全体の構造変化によるものです。本ガイドは 2020-2026 の 5 年間で具体的に何が変わったのか、領域別に整理し、現在の旅行計画にどう反映すべきかを提示します。

コロナ前後の 8 領域比較

旅行の各領域で、コロナ前(2019 年まで)と現在(2026 年)がどう違うかを一覧化しました。

領域コロナ前(〜2019)現在(2026)示唆
航空券価格東京-ソウル ¥30,000-45,000 が標準東京-ソウル ¥50,000-70,000 が標準2020 年比 1.5-2 倍、旅行予算の再計算が必須
LCC 路線網エアアジア X・タイガー等で中長距離 LCC 多彩ZIPAIR・Air Japan が台頭、一部路線は未復活LCC 選択肢は再編、以前と同じブランドに拘らない
事前入国申請大半の国で到着後のアライバルビザ or 不要K-ETA/TDAC/ESTA/eTA/ETIAS 等の電子申請が標準化出発 2-3 日前の準備が必須、当日手続きは不可
直前値下げ出発 1-2 週間前に 30-50% オフの投げ売りが頻発ダイナミックプライシング強化で直前値下げは激減早期予約が有利、直前狙いは低確率のギャンブル化
燃油サーチャージ2019 年は東京-欧州で片道 10,000-15,000 円2022 年ピークで 47,000 円、2026 年も高水準航空券本体とサーチャージを分けて比較する習慣
予約行動出発 1-2 ヶ月前の予約で十分繁忙期は 3-6 ヶ月前、閑散期でも 6-8 週前推奨予約の前倒し、旅行計画の長期化
円レート1 ドル ≒ 110 円1 ドル ≒ 150 円前後海外旅行費全体が 35-40% 増、行き先選びで調整
旅行業界構造日本 OTA(H.I.S./JTB/エアトリ)が国内中心Kiwi.com/Aviasales 等の海外 OTA も定着総額比較は海外 OTA 含めて横断するのが標準

航空券価格の構造変化 — なぜ戻らないのか

「航空会社の業績は回復したのに、なぜ航空券価格は下がらないのか」という疑問は多く寄せられます。理由は 5 つに整理できます。

  1. コロナ累損回収: 多くの航空会社が 2020-2022 年に巨額の赤字を計上し、その回収のために運賃水準を引き上げ。株主説明・格付け維持のために価格を下げにくい構造
  2. LCC の再編と競争緩和: アジア系 LCC の一部撤退で路線の競争が減少、残ったプレイヤーが価格引き上げ余地を得た
  3. 燃油サーチャージの恒常高水準: 原油高+円安で、コロナ前の低サーチャージ水準には戻らない
  4. ダイナミックプライシングの精度向上: AI による需要予測で「安く売って埋める」機会を航空会社が最小化
  5. 円安の定着: 1 ドル 150 円が新しい標準となり、海外キャリア運賃・現地コストが円建てで重い

これらは一過性の要因ではなく構造的な変化なので、今後 5-10 年は現在の価格水準が続く前提で旅行予算を組むのが現実的です。

事前入国申請の普及 — 「空港で何とかなる」は終わった

コロナ前まで、多くの国は「到着後にビザ申請 or 入国カード記入」で済んでいました。現在は主要渡航先のほとんどで、出発前の電子申請が必須になっています。

国/地域申請制度費用(目安)有効期限
韓国K-ETA(一時免除中)¥1,1003 年
タイTDAC(電子入国カード)無料到着時限定
アメリカESTA$212 年
カナダeTACAD$75 年
オーストラリアETAAUD$201 年
EU 主要国ETIAS(2025 年導入予定)€73 年
マレーシアMDAC無料到着時限定
ニュージーランドNZeTANZ$172 年

※ 2026 年 4 月時点の情報。最新情報は各国公式サイトで必ず確認してください。費用は時期により変動。

基本的な運用ルールは 出発 2-3 日前までに申請完了。特に ESTA・eTA・ETA は承認までに 24-72 時間かかることがあるため、出発直前の申請は避けるのが無難。詳しくは/guide/visaでビザ・入国要件全般を整理しています。

予約行動のマインド変化

航空券予約に対する考え方も、5 年間で大きく変わりました。

⏰ コロナ前の感覚
  • 出発 1-2 ヶ月前の予約で十分
  • 直前に投げ売りが出る可能性に期待
  • LCC なら当日予約でも安い
  • 空港でビザ・入国書類を書けば OK
  • 海外サイトは面倒なので日本 OTA で完結
🎯 現在の合理的な行動
  • 繁忙期は 3-6 ヶ月前、閑散期も 6-8 週前
  • 直前値下げは低確率、期待せず
  • LCC も残席連動で早期有利
  • 出発 2-3 日前に電子入国申請完了
  • Kiwi/Aviasales 等を横断比較で総額最安検索

今後(2026 年以降)の中期予測

編集部の見立てとして、今後 3-5 年の海外旅行業界には以下の変化が予想されます。予測なので外れる可能性もありますが、旅行計画の参考として。

  • 事前入国申請の対象国拡大: EU の ETIAS 導入(2025-2026)・アジア諸国の独自システム展開で、手続きの事前化が更に進む
  • 航空券価格は横ばい〜微上昇: 大幅値下げは期待薄、燃油・為替が下がれば微減、上がれば更に上昇の非対称
  • サステナビリティ課税: EU の航空燃料課税・炭素税が段階的に航空券価格に転嫁、長距離ほど影響大
  • LCC 再編の継続: 一部プレイヤーの撤退・新規参入のサイクルが続く、路線網は 2019 年水準に完全復帰しない可能性
  • マイル制度の改悪傾向: 特典航空券の必要マイル数は段階的に引き上げ、燃油サーチャージ負担も円安で重い
  • AI による個人最適化: 予約プラットフォームの AI 化で、同じ路線でも顧客属性別に価格が微妙に変わる時代の兆候

新時代の旅行計画 5 原則

  1. 予算はコロナ前の 1.5-2 倍で計算。円建ての航空券 + 現地費の両方で。
  2. 予約は早め・柔軟日程で底値を捕まえる。繁忙期は 3-6 ヶ月前、閑散期でも 6-8 週前。
  3. 入国手続きを出発 2-3 日前までに完了。当日空港で何とかなる時代は終わった。
  4. サーチャージ込み総額で比較する。航空券本体の「安さ」に惑わされない。
  5. 円安対策を行き先選定に組み込む。アジア圏は相対的に優位、長距離は為替リスクで予算幅を取る。

skymapr が 2026 年の新時代に提供するもの

skymapr は新時代の前提(価格構造変化・早期予約必須・総額比較・海外 OTA 活用)に合わせて、以下の支援機能を提供しています。

  • 複数販売サイト横断の総額最安値表示(サーチャージ込み)
  • 路線別の日別最安値タブ + 週次切替で早期予約判断
  • 為替レート表示で円安影響を可視化(7 通貨対応)
  • Kiwi.com・Aviasales の比較誘導で海外 OTA 横断を 1 クリック化

よくある質問

コロナ前とコロナ後で一番変わった点は何ですか?
最も大きい変化は3つ。(1)航空券の価格が構造的に1.5-2倍に上昇し、以前の価格帯に戻っていない、(2)直前の投げ売り値下げがほぼ消滅し、早期予約が有利な時代に完全移行、(3)多くの国で電子入国申請(K-ETA/TDAC/ESTA等)が普及し、現地到着前の事前手続きが必須化。2019年の感覚で航空券予算を組むと足りない、直前予約で安くならない、空港でビザや入国書類の手続きを現地でできない、というのが2026年の新しい常識です。
なぜ航空券が2倍近くになったのですか?
理由は複合的です。(1)LCC の再編で路線網が縮小し競争緩和、(2)航空会社のコロナ累損回収で運賃水準を引き上げ、(3)燃油サーチャージが恒常的に高水準、(4)円安が2022年以降定着し海外キャリア運賃が円換算で高く、(5)ダイナミックプライシングの精度向上で「安く売る」機会が減少、の5要因。一時的な値上げではなく構造変化なので、コロナ前の価格には戻らないと考えるべき。詳しくは /guide/forex-airfare や /guide/fuel-surcharge で個別要因を解説。
LCC は減ったのですか? どの路線が復活していない?
日本発着の LCC 路線網は 2019 年比で 70-80% まで回復しましたが、コロナ中に撤退した路線の一部は未復活。エアアジアX(クアラルンプール-東京)の撤退・再編、タイガーエア(タイ)撤退、一部中国系 LCC の日本路線縮小などが顕著。一方で ZIPAIR・Air Japan の新規参入もあり、中長距離 LCC の選択肢は逆に増えた側面も。結果として「近距離アジアの LCC 競争激化で底値維持」「中長距離 LCC は選択肢増えたが価格はコロナ前より高い」という状態です。
事前入国申請は今どの国で必要ですか?
主要渡航先で必要な申請は(1)韓国: K-ETA(2024年から短期滞在者は一時免除中だが戻る可能性)、(2)タイ: TDAC(電子入国カード)、(3)アメリカ: ESTA、(4)カナダ: eTA、(5)オーストラリア: ETA、(6)EU主要国: ETIAS(2025年導入予定、開始時期は再三延期)、(7)マレーシア: MDAC、(8)ニュージーランド: NZeTA など。費用は各国 0-3,000円程度、有効期限は 2-5 年が標準。出発前 2-3日前には申請完了しておくのが安全。各国のビザ詳細は /guide/visa を参照。
直前予約は本当にできなくなりましたか?
消滅ではなく「ケースが限定された」です。コロナ前は航空会社が残席を埋めるため出発 1-2 週間前に 30-50% 値下げするケースが頻繁にありましたが、現在はダイナミックプライシングの精度向上で「残席少数 = 値上げ」の方が一般的。ただし (1)LCC の平日平常期、(2)当日空席の格安運賃、(3)直前キャンペーン、(4)払戻席の再販、の 4 パターンでは直前値下げが残っています。詳しくは /guide/last-minute-return で整理。直前狙いは「可能だが低確率のギャンブル」という認識が正確。
コロナ禍中に貯めたマイルは今どうすべき?
今すぐ使うのが合理的なケースが多いです。理由は (1)航空券本体の現金価格が高騰しているため特典航空券の相対価値が上がっている、(2)マイル必要数は各社が段階的に引き上げている傾向、(3)燃油サーチャージ含めた現金支払部分が円安で負担増、の 3 つ。特に 2024-2025 年にマイル所要数が 10-20% 増えた路線が多く、今後さらに増える可能性。ただし 2026 年現在は円安でサーチャージ負担が重いため、円高に振れるタイミングを待つ戦略もあり得ます。判断は /guide/forex-airfare の為替動向と合わせて。
今後(2026年以降)の海外旅行はどう変わる予測?
編集部の見立てとして (1)事前入国申請の対象国拡大、EU の ETIAS 導入で欧州渡航の手続き増、(2)航空券価格は横ばい〜微上昇、大幅値下げは期待薄、(3)円レート次第でハワイ・欧米の相対コスパが大きく左右される、(4)LCC の再編続くが路線網は 2019 年水準まで戻らない可能性、(5)サステナビリティ課税(EU 炭素税等)で長距離路線に価格影響、の 5 点が中期トレンド。近距離アジアは相対的に安定、長距離は為替と環境規制で予測困難、という構図になりそう。

関連して読むと効く記事

関連ガイド